複雑なものを複雑なままのみこむ

 

2022年は低空飛行な年だったと思う。墜落(堕落はしていたが)こそしていないものの、高く舞い上がることもなく、ときに落ちかけながら一応すすんできた。美術館も、カフェも、パフェも、音楽も、これまでより摂取せず、かといって仕事をがんばったわけでもなく、課外活動をがんばったわけでもなく。振り返るとその中身の無さに苦しくなるが、どこか真剣に捉えていないのか、まあ、楽しくないことはない一年だったと思います。

と、今年会うのは初めての友人と話をして、思いました。前半は恋愛と自意識に悩み、後半は家に悩んだ。早く引っ越しがしたい。

 

楽しさと虚しさ、楽しさと悲しさは両立しうるし、そんな複雑なものをそのまま飲み込むパフェの午後。なんかちょっと短歌っぽいこと言ってるぞ。西荻窪

 

 

林檎と和紅茶のパフェ。アイスは和紅茶、インカのめざめ(!)、五香粉(!!)。じゃがいもが入っている理由があまりわからず、気持ちとしてはわからなくはないけど…、と頭にごろっと残っていたけど、「フランス語できましたよね?りんごにじゃがいもか、じゃがいもにりんごか入ってませんでしたっけ」と話をして、「はい?」と言われたものの、整理したところ、なんとかフランス語でつなぎとめることができた(りんご=pomme、じゃがいも=pomme de terre)。

 

 

一番最後のりんごのコンポートを除いてかなり甘さが控えめのパフェで、マイペースで、退屈(いい意味)、だけど小粋が効いている(各種スパイス?)映画だった。ときにオリエンタル。あれ、そう、知らないけど、たぶんこういう映画があるなと思いながら食べていた。そしてオリエンタルだとするとやはりインカのめざめがすこし異質…? ペアリングの和紅茶もおいしかったな。

クリスマスとか、年末とか、年始にも、楽しさと虚しさと悲しさを感じる。年末であるがゆえに会える人がいることもわかっているのですが、どうにも寒いせいか、振り返りを強制してくる社会のふんいきか、かなしくなってきます。星はきれいですよね。日常が恋しい。

 

 

パフェを食べるために12時(わたしが朝美容室に行ったため12時半に変更)に集合したけれど、お店がしばらく混んでいた。並んではいないけれど、散歩して戻ってきたら同じお客さんが同じかたちでスマホを見ていて、机の上に変化はない。時間の進み方が違うのかな。ガード下でミールスを食べて、戻ってきました。店員さんがすごく優しそうなお兄さんで、もこもこした生地のジャケットを着ていた。中に入ったら時の進みはたしかにゆっくりだった。

 

西荻窪には数年前に何度か来たことはあったけど、すこし顔をしかめたくなるくらい想像以上に良い街だった。それでも私はなみすけがダメなので杉並区には住めない。「あ、いるよ」と友人がおせっかいにも教えてくれ、私は驚き、身をかわした。

 

 

陽射しが傾いてきていますが、善福寺池まで歩く。なんか仲良い気がしているけど、これまで何しましたっけ?という話をする。全然思い出せない。6年来の付き合いではあるらしい。「我々のコミュニケーションはTwitterが主戦場でしたもんね」と言っていた。

 

他の人に話をしてちょっと引かれたり、え〜という第一反応だったりしたような内容を、自分と同じ目線で反応してくれて、ころころ笑ってくれて、すごくうれしかった。一方で、聞き流してもらっていいのに、ということでもおかしいくらいあまりにもちゃんと考えてくれる。LINEも知らない人ですが、お互い冠婚葬祭は呼ぼうねと話をしている。結婚式までの予定を綿密に立てていて笑った。年賀状送っていいですか、と聞かれたけどそういえば住所伝えてないな。

 

池はよいですね。善福寺池まで行くともう上石神井が近いということがわかったので、上石神井駅まで歩く。

 

 

これはひどい道路行政。グレーの点線が市境。全然越えられない。街道沿いのロイホはすてきな佇まいだった。

 

駅についた。友人は地元で地元の友人としゃぶしゃぶ食べ放題をするらしく、解散。

 

私は電車に乗らず、中央線沿いの友人に声をかけるかどうか迷いながらうろうろする。うろうろしたが、やめた。でも昨日私は池袋の乗り換えで後悔をしており、都心で乗り換えしたくないので、石神井公園駅まで歩く。直通運転の恩恵を受ける。数分の乗り換えよりも、35分の駅間歩きのほうが良い。1週間前に痛めた足がまだ痛む。

 

西武線沿いの友人に声をかけるかも迷ったが、1本そのまま帰るほうを優先する。善福寺池より石神井池のほうが好きだった。

 

 

といいつつ、途中で乗り換えて江古田。麺や金時。とんでもなくうまい。

 

 

小竹向原まで歩く。小竹向原は流行っていない。

 

帰ってくると19時。12月30日の19時にアパートにひとりでいるのはぜいたく25%かなしみ75%だなあ。昼寝をして、今にいたる。12月30日の24時前にインターネットにいる人は信用できる。ひとりでいることは楽しいし虚しいし悲しい。