こんにちは。
先日、地理界隈の大御所である友人 と実施した東上線 を遡上する散歩について書いていきます。
実質無職の私よりもフルタイムで働いている友人のほうが先にレポートをあげていました。水に悪気はない、もっとがんばろうね。
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ここは池袋駅 です。地下のEchikaという東京メトロ がやっている商業施設の中。私はあまり池袋に馴染みがなく、しかも行く手段も副都心線 ということで、池袋駅 の西のはずれに出ることになります。
地上に上がると、池袋ウエストゲートパーク 、またの名を池袋西口公園 です。東京芸術劇場 もあり、またグローバルリングという輪っかもあります。新横浜の駅前とか、清水橋交差点とかにもなんか似たようなやつがありますね。
ガチ中華こと友誼食府の4階の方に行って昼餐を執り行います。
私は池袋に多いガチのガチ中華(以下、ガチガチ中華)にはあまり行ったことがなく、大久保や高田馬場 方面に多いマイルドなガチ中華(以下、マイルドガ チ中華)に惹かれがちです。違いは、完全に中国人の方へ向けたビジネスになっているか、日本人に対してもオープンかどうか。ガチガチ中華は緊張してガチガチになっちゃうんですよね。
そんなガチガチ中華の2階の方には行ったことがあったのですが、4階のほうが日本語も書いてあったり店員も親切だったりとマイルドガ チガチ中華だなという感じでした。2階は本当に中国なのではという感じなのでガチガチガチ中華ということになります。薬膳スープの米麺つきをいただきましたが、痺れまくって汗かきまくりでした。好吃。
池袋 ▶ 北池袋
さて、東武鉄道 池袋駅 西口(北)から東上線 の遡上を始めていきましょう。
そもそも私は(友人も)あまり池袋に詳しくないので、「池袋大橋」という青看板を見るだけで「ほぼ池尻大橋だ!」とか大騒ぎしていました。
へいわ通りという商店街を北に進みます。たしか友人がこのキャラク ターを見て「量産型ゆるキャラ だ」と言っていた記憶があります。
へいわ通り。池袋の喧騒感はそこまで強くなく、一般的な商店街という感じでしょうか。中心街より息がしやすいですね。
池袋の森?
「豊島区立池袋の森」がありました。私は出身が横浜のはずれに近いので「三保市民の森」「瀬谷市民の森」といった「市民の森」には馴染みがありますが、「区立の森」には初めて遭遇した気がします。
面積としては小さな森でしたが、かなり立派な木がたくさんある森で、特にユリノキ は高さ20mくらいありそうな森でした。ビオトープ もありけっこういい感じの森ですね。森。
へえ〜牧場の跡地なんですかい。今の池袋からは想像できませんが、まあ昔は大塚や目白のほうが栄えていたと言いますしね。
池袋は鉄道が通って栄えた街の一つです。しかも今の池袋駅 周辺は巣鴨 村の村外れ(サンシャインシティ が巣鴨プリズン の跡地であることは有名でしょうか)といったところで、元々の池袋は今の池袋よりも北側にあります。
リコス(旧・miniピアゴ )があるので人々の生活があるということが分かりますね。
川越街道にぶつかりました。
基本的に東上線 は川越街道に沿って敷設されたので、今回の散歩とも密接に関わってきます。ただ歴史を紐解くと、川越街道は板橋宿の手前、今の板橋区 役所前あたりで中山道 から分かれており、池袋駅 から大山あたりの川越街道(国道254号)は戦後に拓かれた道のようです。
川越街道を渡ると、住所は豊島区池袋本町に。これが前述した「元々の池袋」です。「池袋本町中央通り商店街」を進んでいきます。
え、町内会の掲示 板ってこんな立て看板でいいんですか? 台風とか来たら吹き飛びそうですが。
いい感じに商店街っぽくなってきました。昔からある通りっぽい曲がり方をしており、とてもよいですね。ここを右に曲がって池袋の隣の駅、北池袋駅 に向かいます。
立派な建物があります。なんとこちら、豊島区立池袋本町小学校・池袋中学校。でかすぎ。立派すぎ。
豊島区は10年前くらいに少子高齢化 で23区唯一の消滅可能性都市になっていましたが、そのあとは子育てや文化政策 に力を入れているようで、かなりのパワーを感じます。
www.tokyo-np.co.jp
そんじょそこらの大学より立派な建物で、しかもグラウンドも道を挟んで左右2つございましたぜ。すごい。かっこいい写真は建築事務所のHPよりどうぞ。ほかにもたくさんかっこいい学校建築をやっていますね。
www.ishimoto.co.jp
そんなわけで先ほど池袋本町中央通り商店街から東に分かれて歩いておりまして、さすがに池袋の隣だし北池袋駅 はそこまで商業集積がないのかな(cf. 南新宿駅 )と思っていたら、「ふれあいロード北池」が現れました。
いいですねー。もともとビビッドカラー だったんじゃないですかね?風化してパステ ルカラーになってますので、経年劣化を想定した屋号といえます。何屋さんかはわかりません。
いいですねー。カタカナのぽってりした角ゴシックもよいし、ツートンカラーのラインもかわいい。京都市営地下鉄 みたいな2色だ。何屋さんかはわかりません。
北池袋駅 に到着。各駅のみ停車の駅。東武東上線 (と近くを走る西武池袋線 )は各駅停車が1時間8本(ちなみに小田急 線や京王線 、田園都市線 などは1時間6本)なので、けっこう便利かもです。このあと巡っていく駅も最後の上板橋駅 以外はずっと各駅停車しか停まらない駅です。
駅の向こう側は住宅街っぽいですね。東上線 と埼京線 が並行して走っているのは知っていましたが、一つの踏切で越えていくのがふしぎだ。踏切は鉄道会社ごとに分けることが多いような気がしていましたが。
振り返って撮影。こぢんまりながら駅前感があり、街道沿いの商店街と駅前の商店街が両立している素敵な街といえます。それぞれ池袋本町としてのアイデンティティ と北池袋としてのアイデンティティ があるのもよい。
北池袋 ▶ 中板橋
池袋本町中央通り商店街に戻ってきました。
すげー。真ん中は銭湯で、その建物にコインランドリー、和風料理屋、クリーニング屋 が並んでいます。銭湯が街の中心、寄り合い所になっていたことを偲ばせます。
今まで歩いてきた池袋本町中央通り商店街は昔からある、言うてみれば池袋のメインストリートだった道で、このまま北に進むと中山道 の板橋宿に通じる道ですが、今回は道をたどることよりも駅を巡っていくことが目的なので、右に分かれて次の駅の方向へ向かいます。
といいつつその道もその道で昔からある道っぽく、うっすら商店街の香りがあります。
万びきは は ん ざ い
下板橋駅 が近づくにつれて、商店街っぽさが増してきました。ちなみに住所は池袋本町のままなのですが、商店街の名前がわからない。調べてみると、こちらは池袋本町通り商店街というようです。似てるね。「下板橋南口商店街」と呼ぶのがふさわしそうですが、区が違うのでさすがにその名前を冠すわけにもいかないといったところですかね。
全東栄信用組合 という見たことのない信用組合 もあります。本店は神田小川町 、そして本部がここ。東京のいろいろなところに10店舗あるようですが、果たして何系に強い信用組合 なのか調べてもわかりません。なんとなく謎な街です。
駅前のいい感じの通りなのですが、突然道路予定地もあります。商店街にわざわざ都市計画道路 を作らなくてもという気持ちもありますが、たしかに木造住宅密集地域はじっさい救急車や消防車が通れないという問題もありますからねえ。
駅前のいい感じの通りなのですが、かなり古くなった「ドカベン 」みたいな「プロパン」もあります。あとは鈴木隼人 さんがたくさんいました。
ドカベンメーカー より
駅前のいい感じの通りなので、松屋 もあります。
ということで、下板橋駅 に着きました。かわいい駅舎ですね。下板橋駅 の手前で東上線 は大きく左にカーブし西向きに進路を変更、一路川越を目指します。
駅の向こうにはやや広い道が広がっていて、数百m奥には首都高速 の高架も臨めます。その下を走るのが中山道 、国道17号 線で、地下には都営三田線 の新板橋駅 があります。また少し先を右に曲がるとJR埼京線 の板橋駅 もあります。
かなり駅が密集していて、いろいろなところ(e.g. 新宿・渋谷・大崎・大宮 / 神保町・大手町・三田)に行けるエリアなので、池袋にしか行けない東上線 にどれだけの人が乗るのかしらと思いましたが、ちょうど踏切が閉まって多くの人が降りてきました。生活がありますね。
線路を渡ると板橋区 になります。板橋区 下板橋駅 前集会所がありました。「区の駅前集会所」という概念、果たしてここ以外にあるのだろうか。浜松市 天竜区 とかならあるのかな。
下板橋 ▶ 大山
右に曲がればJRの板橋駅 につながる通りを左に曲がり、次の大山駅 を目指します。
大山というと私は国道246号沿いで育ったので伊勢原市 、阿夫利神社 のある大山が一番最初に想起されるのですが、板橋区 にも大山があります。最近練馬区 在住の友人に山の大山を指して大山といったら「東上線 の?」と言われたことがあり、また母にはこちら板橋区 の大山駅 が通じませんでした。関東は広い。
少し進むと子易神社がありました。
友人が「子安じゃなくて子易なんだ」とつぶやいていたのですが、私は伊勢原市 、阿夫利神社 のある大山に馴染みが深く、大山の麓にも子易という地名や子易明神(比比多神社)があるのでこちらの表記にも馴染みがあります。
…あれ、伊勢原 にも板橋にも大山の麓に子易神社があるんですか?まじ?
板橋区 立かないくぼ保育園がありました。みなさん、金井窪ですよ、金井窪!
戦前、東武東上線 の下板橋と大山の間には金井窪駅があったのですが、戦後に廃駅になっています。
なんかいろいろ駅が移転していたりで金井窪駅の跡地は今の下板橋駅 になっているらしいのですが、それはさておき金井窪という名前は地番表記としては残っていないので、こうして公的施設の名前に残っているのを見て私はにっこり。
山手通りにぶつかり、大山東町 交差点にやってきました。ここを渡るとみんな大好き大山のロングロング商店街が始まります。私は初めて来ました。
駅の東側には遊座大山という商店街が広がっています。立派な商店街で、一気に情報量が増えました。
駅が近づくにつれて密度が上がってきます。
駅前に来ました。えーと踏切は見えますが、駅どこですかね?
かなり突然線路があり、いわゆる駅前という感じはあんまりしません。そのまま西側のハッピーロード大山商店街 に繋がっていきます。
大山駅 南口です。アーケードの中の一テナントかのように駅が入っていて、これは風情があるなあ。自由が丘駅 南口にも近いですが、大山駅 の場合はここがメイン出口ですからね。雨に濡れずにお買い物というやつです。
ちなみに大山の由来ですが、前述の伊勢原 の大山に続く大山街道 が通っていたからという説もあるらしいです。まじか。道路や川という線的な名称を駅などの点の名称に使うのはちょっと誤解を生みがちですよね(例:多摩川駅 、江戸川駅 、川崎市 中原区 )。
ハッピーロード大山 は踏切の前で南に折れても少し続いていて、こちらもすごい。
メインルートの西側を進んでいきましょう。うおー、これはかなりすごい商店街だ。活気がすごい。チェーン店もたくさんありますね。武蔵小山 のパルムにも似てますが、武蔵小山 の商店街は南側にしかないので、街としてのパワーとしては大山に軍配があがるかも。
まあそんな活気にあふれるハッピーロード大山 なのですが、都市計画道路 補助26号線の整備により一部が分断される予定で、その近くではタワマンの工事も始まっています。
しかもよりによって斜めに通っているので、結構がっつり分断されちゃうんですねえ。補助26号線はまたの名を都道 420号鮫洲大山線、あるいは中野通り。山手通り(環状6号)と環七の間を走るので、「環6.5」とかとも言われることもあります。
この26号という道路、自転車で走りづらい山手通りや環七と違い余裕のある道幅にそこまで多くない交通量なので、私はかなり頻繁に(南の方ですが)使っております。ということで道ができる事自体はありがたいのですが、うーん、歴史ある商店街をがっつり壊してしまうのはなあという感覚はあります。
東京都都市整備局都市計画情報等インターネット提供サービス より筆者一部改変
というか、鮫洲大山線という名前が示す通り、大山駅 の東側、板橋仲宿 で中山道 &山手通りにぶつかって終点、そこから東に計画があるわけでもないので、この区間 を作ったからといって特段大きな通過交通が見込めるわけでもないし、商店街を潰してまで、というほどでもないような気がするんですが、どうなんでしょうね。川越街道まででもいいような。
ちなみに先ほど引き合いに出した武蔵小山 の駅前にも26 号が通っています。鮫洲(青物横丁)から、大井町 、戸越、武蔵小山 、五本木、三宿 、東北沢、笹塚、中野、新井薬師 、東長崎、千川、大山とかなりいい雰囲気の街を結んでいる通りです。
閑話休題 。ハッピーロード大山 を進みハッピーになっていきます。
コモディイイダがありました。コモディイイダもそっちの立ち位置なんすね。
川越街道にぶつかり、商店街は終了。もちろん立派な商店街はすごいなーとは思うのですが、情報量が多すぎて逆に文章を書くことはあんまりないですね。写真は交差点にあったマインクラフトで作ったかのような建物(セブンつき)。
大山 ▶ 中板橋
川越街道から右に分かれる旧街道っぽい通りを進んでいきます。「下頭橋通り共栄会」。げとうばし、と読むようです。
これはかなり旧街道っぽい通りでよいですね。緑の路側帯って旧街道、旧道に多いような気がします。
消防団 の倉庫がめちゃかわ!消防団 の倉庫っていわゆる普通のシャッターの物置みたいなやつしか見たことなかったのですが、これはかなりかわいいですね。
しばらく進んだら中板橋駅 入口交差点に着きました。右に曲がって中板橋駅 を目指しましょう。
かなり昔からありそうな案内看板。板橋区 になったので選挙区が変わり、ポスターが下村博文 になりましたね。
ややうっすらとした商店街を進んでいきます(通りの写真は撮っていませんでした)。
見たこと無いスーパーがあるなと思いましたが、全日食チェーン 。「中板橋店」とあるけど果たして他に店舗があるのかと疑問に思います。と思ったら北千住駅 前に3店舗と、ここ中板橋だけっぽいです。ふしぎ。
中板橋駅 に着きましたよ。駅前広場、というか公園が駐輪場になっていて、駅が遠い。こちらも建物がかわいいというか、素朴でいいですね。
踏切を渡ると、「なかいた」のゲートで迎えられて中板橋のメインの商店街へ。あの大山の隣なので果たしてどうか、と思っていたのですが、これはかなーーりいい商店街ですね。住み甲斐がありそうで、個人的にはこのくらいの規模感はかなり好きです。
駅前商店街には大きく分けて「線で広がる商店街」と「面で広がる商店街」があると思っており、大山は線、中板橋は面ですね。どちらも良いところがありますが、面で広がる商店街のほうがぐるぐると歩き甲斐があるし、買い物もしやすいのではと思います。
他に線といえば武蔵小山 、祖師ヶ谷大蔵 、豪徳寺 、松陰神社前 、尾山台 など、面といえば梅ヶ丘、千歳船橋 、用賀、池上、祐天寺、等々力など(ちなみに線が組み合わさって十字・T字になっているのは十条、下高井戸、桜新町 、笹塚など)かなと思います。高円寺や三軒茶屋 、下北沢といった大きな街、あるいは経堂、学芸大 学などやや大きめの商業集積になっていくとその2つが組み合わさってきますね。
どういう違い、歴史的経緯で線的な商店街と面的な商店街が発達するのかについては、今後の課題とさせてください。
スーパーはあるのかしらと思ったらよしやセーヌがありました。城北方面で展開しているややお高めのスーパーですね。こちらが本社とのこと。あとさっきのTANAKAか。
まいばすやアコレ(どちらもイオン系列のミニスーパー )などは駅から少し離れたところにあるようです。駅前商店街の活気が良い証拠ですね。
あまり商店街ではないけど、でもうっすら商店がある。線的な商店街にこういう部分があると寂れちゃってるのかな、という感覚になりますが、面的な商店街にこういう部分があると、お、いい路地だな、という感じになる。かなり良い街でしたね、中板橋。
中板橋からときわ台 は450mと非常に近いのですが、途中には石神井川 と環状七号線という大きな地理的な壁があります。
石神井川 にやってきました。桜ですね。春には花見客も多いことでしょう。あと石神井 とジャグジー って似てますよね。ジャグジーはジャクージの読み間違いらしいですが 。
石神井川 に面しているから石神井 荘。石神井 は練馬の地名(上石神井 や石神井公園 のあたり)ですので、道路や川という線的な名称を駅などの点の名称に使うのはちょっと誤解を生みがちですよね(例:多摩川駅 、江戸川駅 、川崎市 中原区 )。
環七にぶつかりました。静かな川沿いを歩いていましたが、急に東京交通戦争に巻き込まれます。ヤマヨシのわさビーフ の看板がありましたが、ヤマヨシの本社ビルのようです。
ちなみにこの環七には都バス王78や国際興業バス 赤31が走っているのですが、南から「南常盤台」「中板橋駅 入口」というバス停が続き、それぞれときわ台駅 、中板橋駅 の乗換案内が流されます。東上線 は南から「中板橋駅 」「ときわ台駅 」と進んでいるイメージなので、これはかなりトラップです。東上線 が南東から北西へ、環七が南西から北東へ交差しているがゆえにこういうことがおきます。
わかりやすい位置関係の図
こちらはそんな中板橋とときわ台 の間、東武東上線 をくぐるところのいい感じの階段です。3つ以上の階段が同時に写っている写真は定期的にSNS でバズりますよね。ただここは少し惜しいというか、上のカルバートがもともと斜めだったりして、バズる写真を撮るのは少し難しそう。我こそはという方は挑戦してきてください。
東武東上線 です。環七を渡る歩道橋の高さが線路と近く、いい感じに撮れますね。
環七って雄大 だなあ。
へのへのもへじ だー!本物を見たのは初めてかもしれない。落書きをするというアナーキー さはもっているが、伝統は重んじるタイプ。何なら普通の落書きより思想としてこわいかもしれない。
線路沿いにしばらく歩いていたらときわ台駅 につきました。かなりかわいくなってますね。ときわ台 は東武 が開発した住宅街で、板橋の田園調布とも呼ばれていたり呼ばれていなかったりする。かなり期待していたというか、歩いてみたかった街。この街を見るのがこの散歩の主目的でした。
私鉄の駅って、こういうことだよなー、という街が広がっています。駅の目の前には噴水越しに昔からありそうなマクド ナルドがお出迎え。かなり、良い。北口から北方面へ進んでいきます。
と思ったら噴水は故障中で水鏡になっていました。鳩が遊んでいました。
噴水の裏手には「エコポリス板橋」環境都市宣言。SDGs という言葉もそろそろ下火になってきたような気もしますが、少し前はエコだのロハス だのいろいろ言っていましたからね、まあ常に環境は壊されつづけているし、そうして人は生きていく。
すき家 、日高屋 、ガールズバー 、薬局、不動産、チョコザップ、コンビニ。一通り揃っていますね、ガールズバー の建物がなんか妙にかわいいのが不思議なのだが。
オオゼキ があります。オオゼキ は城南方面を中心に展開しているスーパーで、私がもっとも頻繁に使っているスーパーでもあります。なんとなく予感がして調べてみたらここが最北のオオゼキ だった!なかなか興味深いですね。
そして駅からほんの200mほどで、急に閑静な住宅地になります。これが東武 が開発した「常盤台住宅地」。敷地の広い一軒家や高さの低い集合住宅、そして街路樹が豊かで、いかにも住宅地、という香りがします。地理オタク大興奮。これはなるほど田園調布と比較されるのも頷けます。
こちらは旧板橋区 立中央図書館(の通用門側)。1970年築。
なんだかモダンな建物で良い感じです。手前に伸びている廂(ひさし)が地面と平行ではなくて斜め上に向かってたり、窓があいていないところでもニッチがあったり、近代建築の整頓されていながらも伸びやかな感覚がいい。
ちなみに図書館は2020年に閉館、2021年に上板橋 に移転したようで、今は特になんとも使われていないらしいっぽい。駅からも近いので修繕して有効活用してほしいものですが、どうなることやら。
ここに限らずですが、塩漬けにするくらいなら閉館期間中にアートイベントとかやったらめちゃいいんですけどね、さいたま国際芸術祭のように(なぜかさいたま国際芸術祭は2020年には旧大宮区 役所、2023年には旧市民会館とどちらも閉館後・解体前の公共施設で開催)。
素材が変わって木造のとても古い建物がある…と思ったらなんと幼稚園でした。帝都幼稚園。そしてこちらはなんと現役で園児募集中。これはかなりすごい。本当にすごい。なんと1936年築。かわいすぎる。息が長すぎる。
敷地内で移築はしているそうですが、戦前の木造学校建築で現役って今果たしてどれだけあるのやら(特に東京で)という話なので、「めちゃすげ〜」「登録有形文化財 でしょこれは」とか言っていたのですが2012年に板橋区 指定文化財 になったらしい。区かよ。ちょっと最近すぎる、都の歴史的建造物とかにはなっていてほしい。門柱も歴史あるもののようです、かわいい。
さて、引き続きときわ台 の静かで質の良い住宅街を練り歩いているわけですが。
ときわ台 の何がすごいかというと、「クルド サック」がいくつかあること。
クルド サックは袋小路、ループ状になった路地のことで、車の通過交通を制限しつつ、行き止まりではないため住民の自動車は安全かつスムーズにUターンができるというわけです。上質な住宅地の特徴。土地をたくさん使うので日本にはあまり数がないのですが、他には多摩田園都市 の中心地たまプラーザや、辻堂の藤沢サステナブル スマートタウン(蔦屋書店の近く)にもありますね。
クルド サックは丸くてかわいい(Googleマップ より)
しかも完全に行き止まりというわけではなく、歩行者はクルド サックの先に通り抜けられる構造になっているところもあり、歩車分離&歩行者優先のまちづくり。このような細い道はフットパスとも呼ばれています(まあそのまま足の道、歩道ですが)。
いやー素晴らしいですね、常盤台住宅地。歩行者が映える街。田園調布にはクルド サックはありませんので、たしかに小規模なたまプラーザとか、そんな感覚もありました。
常盤台住宅地は東武 が開発した住宅地というのは先程書きましたが、もともとは西板線(西新井〜上板橋 を結ぶ路線計画があった)の車両基地 として買い取られていた土地だったということで、もし西板線が開通していたとしたらこの上質な住宅地はできていなかった、のかも。歴史のアナザールートを想像するのもたのしい。いい住宅街でした。
常盤台住宅地の北側にはうっすらと商店街の香りがある富士見街道という通りが東西に通っています。「富士見通り」は津々浦々かなりたくさんありそうですが、「富士見街道」は案外ここ板橋区 と、あと愛知県豊橋市 にしかないっぽいです。
地図を見る限り、練馬春日町 から石神井公園 を通って田無につながる富士街道 (都道 8号)とももしかしたら歴史的にはつながっていて、富士山参りに使われていた可能性もありそう。
さて、踵を返して今度はときわ台駅 南口。ふつうにいい感じに街が広がっていますね。「東武 ときわ台駅 ビル」というあっけらかんな名前がいい味を出しています。こちらもインターロッキング舗装が広がっていたりと、面的に広がる商店街だな。
ときわ台 天祖神社 という大きめの神社がありました。なんか人が多くて賑わってる。
なんと節分祭の豆まき中でした。節分祭というもの自体に人生で初めて来た可能性があります。「今から豆を投げるのは○○町内会の皆さんです〜」とアナウンスがあっておじさんおばさんが投げるというスタイルは花火大会みたい。
けっこう鎮守の森感があるこんもりとした社叢なのですが、どうやらときわ台駅 の南口一帯はもともと天祖神社 の敷地だったようで、戦後に商業地として開発されたという歴史があったり、そもそもときわ台 の駅名(開設当初は「武蔵常盤駅 」)が天祖神社 の境内にある常盤松が由来だったりするとのこと。
常盤台住宅地がときわ台 の顔だとしたら、天祖神社 はときわ台 の腰という感じがします。区営の駅前駐輪場も境内にあって笑いました。
ちなみに目の前の交差点は「板橋天祖神社 前」ですが、今の名前はときわ台 天祖神社 っぽい。上板橋 村の鎮守だったようですが、上板橋 村(川越街道上板橋 宿)の中心地は今でいうところの東武練馬駅 周辺。さっき渡った石神井川 が村の境目にあたるっぽいので、江戸からのいろんな気を防いでたんですかね。
さて、長らく滞在したときわ台 を後にして、上板橋 まで歩いていきましょう。さすがに疲れてきたということもあり、線路沿いでまっすぐ向かいます。
沖縄村とコロボックルが隣接。
上板橋駅 手前の交差点に大きな公共施設があるなと思ったら板橋区 立教育科学館でした。プラネタリウム とかがあるようで、子連れの無料施設としておすすめらしいです。
板橋区 は地味に(?)板橋区立美術館 や板橋区 立赤塚植物園、板橋区 立熱帯環境植物館など公共施設がかなりあるイメージがあります。23区のなかで区立美術館を有しているのは板橋、練馬、世田谷、渋谷、目黒と西側に固まっていますね(大田区 や台東区 にも個人名を冠した小規模なやつはあるけど)。あとはすみだ北斎 も一応そうか。
イトーヨーカドー があったよ。街の写真を撮っていないところに疲れが見えます。
と思ったら秋に閉店してしまうとのこと。イトーヨーカドー 大量閉店のニュースが流れる前でしたが、縮小傾向にあることは知っていましたので、なかなか寂しいところ。
上板橋駅 です。上板橋 には一度来たことがありますが、なかなかいい感じに栄えている街ですよ。
youthsleepyhead.hatenablog.com
池袋からぶっ通しで歩いていたので喫茶さかもとという小さなコーヒーショップで休憩。漫画やコーヒーの本などが並ぶなかに「板橋マニア」という本があり、「へ〜ここってこういう地形なのか〜」「次歩くとしたら三田線 / 中山道 沿いすかね」と二人でわちゃわちゃ読んでいました。ごちそうさまでした。
itabashimania.flickstudio.jp
外に出るとすっかり暗くなっていた。チェーン店などがしっかりあることがわかりますね。東武 練馬まで歩こうかとも話をしていたけどもう難しそうだ。上板橋 を散歩して終わりましょう。北側はさきほどのヨーカドーを中心に、面的な商店街が広がっています。
南口に出てみました。こちらは駅前すぐが絶賛再開発中という感じで、その先に細い商店街が続いています。
左がマルミ、右もマルミ。こういう細さでこういう店に挟まれている商店街はかなりとてもいいですよね。
コモディイイダがありました。これはコモディイイダ上板橋 店です。
コモディイイダの目の前に商店街タイプの「丸一ストアー」もある。丸一水産、丸二青果、丸三商店、さかなや成吉。さっきのマルミも丸一系列ですか?丸の一フランチャイズ 。
商店街は川越街道(国道254号)にぶつかって終わるのですが、コモディイイダがありました。コモディイイダ食彩館桜川店。え? ドミナント すぎるし、一方で商店街とは仲良くやっているっぽいし、コモディイイダはかなり謎なスーパーだなと思った一日でした。
「こんなにスーパーが近接してるの、オーケー用賀店・新用賀店しか知らないっすよ」ってすぐ出してきた友人は天才だと思った。でもそれを越える近さで近接しているのでかなり驚きでした。
夕食は私が一番推しているベトナム 料理屋であるハスナム へ。マジでうまいしマジで安いのである。全員行ってください。
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ということで池袋、北池袋、下板橋、大山、中板橋、常盤台、上板橋 と散歩してきました。かなり密度が高いながらもどの駅もかなり個性があって、それぞれの暮らしがあるということがとてもよくわかる良い散歩でした。池袋の乗り換えは正直あまり便利ではないので、池袋に通勤だったり、あとは自営業の人も多いのかもなあ。
私はあまり北西方面に詳しくないので、今度は東長崎・椎名町 とか、あとは赤羽〜本蓮沼 〜常盤台〜平和台とかを散歩したいかもしれないですね。
そして文章も書きすぎてマジで疲れました。くぅ〜疲。皆さんもお読みいただきありがとうございました。