日吉散歩はたのしい

こんにちは。

昨日は昼ぐらいに起き、日吉を散歩し、映画を見て、銭湯に行きました。日吉の散歩記をお伝えします。

 

日吉駅です。私は東横線沿いに住んでいるのですが、神奈川県内の東横線の駅を全然知らないので、長らく散歩したいと考えていました。多分日吉に来るのは3回目くらいだけど、散歩をしたことはない。特に目的地があるわけではありませんが、なんとなくGoogleマップで見つけた気になるところだけはピンを立てて、なんとなく歩いていきます。

 

日吉駅には謎の球体と、日吉東急アベニューがあります。謎の球体は待ち合わせ場所として機能しています。東京都美術館の入口にあるものと似ている気がしますね。平日の午後、慶應生が多いのかにぎやかです。

 

天井が高く、なかなかいい感じです。この四角いスクエアな感じは、青葉台二子玉川、たまプラーザ、どことも違いますね。でもあるのは東急スクエアではなく東急アベニュー。

 

日吉駅の東側は完全に慶應義塾大学に占拠されています。長い銀杏並木があり、奥には「KEIO UNIVERSITY」と銘された立派な建物が見えます。

これは完全に本編と関係ないのですが、私は東横線沿いの某K大学に入ることを選択せず、中央線沿いの某大学に入ることを選択しました。某K大学に入っていたら東横線沿いの友人が多かったのかなあ〜、と最近東横線の駅から中央線に友人に会いに行くたびに思います、が、そうなっていたら今の交友関係は8割くらい違っていたので、またそれは色々人生が諸々違っていたのでしょう。閑話休題

 

一方駅の西側は放射状に、面的に商店街が広がっています。計画された都市という感じがすごいですね。

 

北から順に、サンロード、浜銀通り、日吉中央通り、普通部通りと名付けられています。浜銀は横浜銀行。普通部は慶應義塾普通部、附属の中学校ですね。男子校だっけな。

駅を出てすぐマックとミスドがあり、とても駅前感があって良い。どの通りも同じくらい狭いけど、浜銀通りにはバスが通る、ということだけ知っています。

 

日吉中央通りです。普通にいい感じの商店街で、かなり住みやすそうですね。学生街であることもあってかラーメン屋が多かったな。

 

なんかでも急に終わる。道もよくわからない方向に分かれる。おそらく用途地域が変わったのでしょう、店舗などまったくない一戸建てばかりになります。

 

えっ、ちょっと待って、かわいすぎる、なんだこの家…、最高の平屋だ、かわいすぎないのがかわいすぎるし、古いけれどきれいで、質素だけどおしゃれで、バランスが取れていて、色素が薄くて、窓がかわいくて、なんか、わたし、この家みたいな人と付き合いたい。普通に個人宅ですスミマセン。あとこのおうちに青のフォルクスワーゲンなんだな、という気はしました。

 

す、すげー。「八ツ目ウナギ」が一番気になる。日本ではあんまり食べなくないですか。「やつめうなぎ」って打ったら今「鱧」って変換されたんだけどそれ鱧(はも)やんけ。というか店名が書いてないですね、でも絶対「あのスッポンの店」で通じるのでしょうけれど。

 

ピンを立てた一つ目の場所に来ました。こちらも店名など全く店先では分からず、ぜんぜんここが目的地だと分からず、ふつうに通り過ぎ、あれ?となり、Googleマップを画像まで確認しましたが、どうやらここのようです。どうなっているんだ日吉。

 

恐る恐る「おじゃましまーす…」と小声で入ると中には誰もいませんでした。無人古着・古本屋 ステルナというお店です。無人と名乗っていますがたまにお店の人がいるようです。服が無限にあり(服の入っているのであろうデカ袋もどさどさ積まれていた)、本は古いのがなんとなく棚に詰まっています。好みな本や服が多いわけではなかったけれど、かなーーーりたのしい空間だった。サッカーに関連する本が多かったな。

わけのわからない本(「医学カード《性のデザイン篇》」)を1冊100円と、わけのわからない服(スケートしているクマのダサスウェット)を1着1000円とで、1100円をスリットに差し込んできました。どんなものを買ったか気になる方は随時連絡ください。良くも悪くもジジくさい・ババくさい服が多かったので、ジジくさい・ババくさい服が好きな方はぜひどうぞ。

 

日吉は起伏の激しい街です。山裾を歩いていきます。

 

なんか突然山を登る方面にすごい緑のあふれる小道が現れました。入ってみたいけどたぶん私有地なのでしょう…、この空間だけまるで軽井沢か清里か、それか逆に芦屋か鎌倉か、みたいな感じでした。ちょっとこの感動は写真だとあんまり伝わらない気がします。まわりはふつーの住宅地に突然この緑の小道ですからね。すごない?

 

普通の公道で、山に挑んでいきましょう。写真だと往々にして起伏が伝わらないのですが、横に目線を向けると頑張ってコンクリートで段差と基礎を作っていることが分かるので、起伏の伝わる写真になっているかと思います。

 

ひいひい山を登り、日吉公園という公園にやってきました。山の上にあるので、眺めが良さそうです。

なんか公園の奥では造成…じゃないなこれ、遺跡発掘をしていました。

公園を広げるのかなと思って、測量していたお兄さんに「あれですか、造成のための文化財調査ですか?」と話しかけてみると、「そうですね、多分戸建てがばーっと建つんだと思います」とどこか切なげに答えてくれました。「お仕事中失礼しましたー。」

まあ、昔から人が住んでいたわけで、それが昔だろうと今だろうと変わらないという見方もあると思います。こんなところの家、山の上にあるので、眺めが良さそうです。

 

眺め、良い! 眺めがいい場所がある街は良いですねえ。どどんと見えるのは武蔵小杉のタワーマンション群です。つまりは15年前とかと比べるとかなり眺望が変わっているんだろうなと思います。東京タワーやスカイツリーは見えずで、おそらくタワマンの裏にあるのかなと。

 

上写真の左奥、たぶんこれは新宿。コクーンタワーっぽいシルエットが見えました。

 

Pの形をした椅子、かわいい。チンアナゴにも見える。

 

山を降り、川に来ました。矢上川という川です。かなり急なところを下ってきた割には、なんか落ち着いた川ですね。つまり逆に、暴れ川だったがゆえにちゃんと治水されているという事かもしれない。

個人的にはあまり馴染みのない川ですが、南加瀬・駒岡(これも人には通じない)あたりで分かれる鶴見川の支流で、宮前平のあたりが源流っぽい。たしかに宮前平に細い川、通っていたような気がしなくもない。

 

右の山がさっき眺望がよかったあたりです。左手には全室眺望のマンションが見えますね。川沿いには地主というか広いお家が多く、この写真の近景ではゆずよりも少し大きく見える、ちいさいかぼちゃくらいのサイズの柑橘が実っていました。なんだろうな、この果実。

 

留まっているアオサギと、走り抜ける東横線です。

 

あれ、川渡ってないのに川崎市中原区木月だ。地図を見るとほんの一部だけ川崎になっているようなので、川の流路を変更した名残のやつですね。やっぱり暴れ川だったっんだろうな。木月ってちょっとかわいい地名。

 

綱島街道を渡る。奥に日吉駅の日吉東急アベニューが見えています。というか東急アベニュー、東急百貨店のマークなのか! 東急スクエアとかならまだしも、東急百貨店のマークを渋谷以外で見かけるのはなんか不思議な気分です(長野とかあるっけ?あ、調べたらそういえばたまプラーザと吉祥寺にもあったわ、でもたまプラはたまプラーザテラスのほうがロゴ目立つからな)。東急スクエアと東急百貨店は似て非なるもので、もちろん東急グループですが、運営会社が異なってくるのです。

 

川を離れ、坂を登っていったらダイハツミゼットがいた。いわゆる三輪オート。しかもナンバー付いてるので現役っすよ、かっけー。

 

小高い丘を登り、日吉神社にやってきた。これは読み方が「ひよしじんじゃ」なのか「ひえじんじゃ」なのか、現地でも分からず、帰ってきた今も分かっていない。日吉の鎮守であることは名前からしても分かりますが、"日吉神社があるから日吉"なのか、"日吉にあるから日吉神社"なのかも、分からない。祭神は天照大神

調べたら分かりました。"日吉にあるから日吉神社"の方なので、「ひよしじんじゃ」ですね。いや、なんとなーく、全国にある日枝神社日吉神社って天照大神を祀ってる…んだっけ…?といううっすらとした違和感はあったので、この違和感が合っていたことが非常にうれしい(赤坂の日枝神社も大津の日吉大社大山咋神日吉大社の所在を京都だと思っていたのは内緒)。というか由緒よく読んだら書いてあったな。

 

境内社の大六天神社、タイポグラフィ激ドープ。六は読めないだろそれ。

 

振り返ると、すご、街が崖にへばりついている。よく望遠レンズでこういうのありますけど、ふつーのレンズの望遠でこれです。本当によく切り拓いたなというか、横浜の土地のおもしろさを感じます。

 

参道の階段を降りました。すご、端正な建物が崖にへばりついている。かっけー。

 

と思ったら、天下の慶應義塾大学さんでした。矢上キャンパス。理工学部がこっちにあるんですね、早稲田の大久保みたいな感じだ。

 

途中でデイリーヤマザキに入ったらヤクルト1000が無限にありました。こんなに並んでることあるんだ。私は定期購入しているので勝ち組です。そして、ヤクルト1000を毎日飲んでいるのに精神科にかかり休職しているので負け組です。手作りのおにぎりがうまい。写真で改めて見ると、並べるのが上手なタイプのコンビニですねこれ。商品に愛がある。

 

再び矢上川沿いに出る。その途中に、果樹園があります。

ここもピンを立てていたところなのですが…特に看板などはなし。「杉崎いちじく園」です。別にその場で食べられるとかではないことは知っていたのですが、「ぶどう園やなし園は見たことあるけど、いちじく園って」と思ったので、来てみました。

いちじくって上に向かって生るんかい、イメージとちょっと違うな。かつては日吉はいちじくの名産地だったらしい。ふだん食べているいちじくはどこ産なんだろう。大昔実家にもいちじくの木がひょろっと生えていたような気もするのですが、実は生らなかったような、記憶にないような。いちじく好きなんですが今年は1回くらいしか食べていないなー。

www.townnews.co.jp

 

同じく矢上川。なんか急に川幅広くなりましたね。さっきは護岸もしっかりしていましたが、ここは緑で川面が遠いです。さっきのあたりは土壌が固くて縦に削れて河岸段丘ががっつりでき、こちらは柔らかいので横に削れ氾濫原が広くなった、みたいな感じでしょうか…。自然地理学は詳しくないのでよく分かりません。

 

 

ただやはり丘は右手にあり、ここは駅から見て真裏といったところです。その丘のすべてを占めているのが、慶應義塾大学日吉キャンパス。それにしても、東横線の駅から徒歩20分の景色とはなかなか思えないですね。

 

個人宅の広い庭の中ですがかわいい花。シュウメイギクのようです。

 

立派なお庭を持つ立派なお家が多いですね。東南側斜面ですし。柿やみかんのずっしりと甘みを湛えた明るい色が目に映えます。

 

と思ったら今度は激狭路地を歩きます。川の旧流路とかでしょうか…。プロパンガスのエリアだ。

 

このまま山裾を平らにぐるっと周っていっても良かったのですが、ちょっと階段に惹かれちゃいました。元気だね。

 

え、JR東海? なんで? まさか!

 

新幹線の線路だー! そして眺めもめちゃグッド。知らずに来たので思わず声を上げてしまった。

新幹線、見上げることはあれど見下ろすことってあまりないですよね、東急の御嶽山駅とか、あとは静岡の用宗に行ったときに山から見えましたが、真下はなかなかレアなのではないでしょうか(金網越しに撮影)。

 

日吉公園の眺望とは違い南向きなので、横浜の中心部が臨めます。ランドマークタワーと、左にパシフィコ横浜の半円のホテルも見えますね。

 

新幹線が来るまでなんかなぜか10分くらい待ちました。運行状況確認しちゃうくらい待った。東海道新幹線ってもっとひっきりなしに走っているイメージでしたが、1時間にのぞみ6本、ひかり2本、こだま2本。計10本と思うと、なんか案外多くないですね(繁忙期はひっきりなし)。大江戸線とかと一緒。いやまあ、多いけどさ。

 

暗くて細くて急な山道を歩いていきます。こんなところですが普通に人々の足早な往来があり、横浜市民の生活が見えます。足腰鍛えられそうな日常ですね。

 

長い階段を経て、山の上まで登ってきた。つまりそれはほぼ慶應義塾大学の土地である。勾配20%て。運転したくない。

 

このあたりに日吉台地下壕という防空壕があるらしく、それを見てみたかったのですがしっかり閉鎖されていました。調べてみると月2回公開されているようです。おそらくこの写真に映るコンクリート製の井戸みたいなのがその入口なのだと思いますが、よくわかりません(Wikipediaを見ると通気口らしい?)。

この地下壕は帝国海軍が太平洋戦争時に作ったものだそうで、てっきり私はなんか旧日本軍の敷地だったところを大学が買って今のキャンパスがあるんだと思っていましたが、慶應義塾大学日吉キャンパスができたのは1928年で、その地下に軍事施設を作っていたらしい。土地まで学徒動員されたんですねえ。

ja.wikipedia.org

 

住宅街の隙間から見覚えのあるロゴと謎の壁画。コーエーテクモ、だよね? 調べてみたらコーエーテクモの本社でした。本社こんなところにあるんだ。壁画は十二星座を表しているらしい。よくわからん。よく調べたら永井一正によるものだった。ははあ。

 

慶應のグラウンド?陸上競技場?を見ながら坂を下る。入口が京都市京セラ美術館の入口みたいになっている!

 

あっという間に駅まで降りてきた。山と大学と住宅と町が混在しすぎている。日吉東急アベニューの建物かっけー。東急百貨店のモダンなロゴがまあ似合う似合う。約2時間弱の日吉散歩、めちゃめちゃ楽しかったぞ。

 

あとは軽く商店街を探索して、いい街だなーとなんとなくなりながら散歩は終わりを迎える。

 

「ま」!? まじか。すげえ。これだけでわかるのもすげえ。ポップ体の看板かなり嫌いですが、あの、しゃれた方のまいばすのロゴ、あれはあれでごちゃごちゃしてわかりづらいから、これに統一してもいいよ、もう、負けたよ。毎日、まいばすばっかり行ってるしさ。

 

ところで日吉たいへんおもしろく、また坂は多いが住みよさそうないい街だなと思ったのですが、なんと、スーパーがない。そういえばスーパー見当たらなかったなと思ったけど、ほんとにない。ないことあるんだ、というくらいない。

もちろんまいばすけっとやリコスはある(ただそれも密度は高くない)し、あとは東急アベニューの中に東急フードショー(いわゆるデパ地下)があり、その中にスーパーっぽいエリア「MARKET PLUS」とやらがあるのですが、東急ストアのフォーマットとも違ったのでおそらく東急百貨店がそのままやっており、青果は九州屋が入っている。たけえよ。

 

オーケーストア日吉店という店舗もあるにはあるが距離は1kmくらい離れており、地下鉄の日吉本町駅の前。もとまちユニオンもちょっと離れたところにありますがこれは高いスーパー(京急資本)なのでノーカン。その他はもう綱島とか元住吉とか。綱島街道沿いにSOCOLA日吉という野村不動産がやっている郊外型の小規模SCもありますが、なぜかスーパーは入っていない。どうやって暮らしているんだろう。みんな商店街で適当に買ったり外食だったりなのだろうか…。日吉で暮らしているよという人、暮らし方を教えてください。まいばすがデカいのか? 慶應の敷地の中にOKストア作っちゃえよ、KOだし。あ、ここ、笑うところです。

 

ところで慶應の敷地の中にOKを作るというのはあながち変な話でもなく(変な話だけど)、慶應の敷地の中には地下鉄の出口や、タリーズ、HUBなどがあります。さっすが慶應やな。

 

ということで、用もないのに行く場所でもないし、用があっても別にあまり何があるのよと思われる感じの日吉駅でしたが、散歩しがいのある大変楽しい街でした。皆さんももしよければどうぞ。特に古着屋ね。

 

そのあと私はセンター北に向かい、イオンシネマ港北で「アンダーカレント」を観る。諸事情があり私はイオンシネマが大変お得なので、そのために日吉に寄ったということでした。センター北はぎりぎり実家の生活圏内だったのでうっすーら馴染みがあります(「セン北」「セン南(なん)」と呼べるくらいには馴染みがある)が、どでかい商業施設が無限にあって本当にすごい。

映画の感想はまた別の機会に、書けたら書きます。そこから雷鳴のなか一度帰ってきて銭湯に行って、うどんを食べて、ちょー眠いなか日吉が楽しすぎたことを書きました。6800文字。よく書いたな。翌日のいいくらいの時間(19時くらい)に投稿しようと思ってましたが忘れたので普通に深夜更新。

読んでいただいた方はありがとうございました。それでは。