金沢旅行 1日目

 

こんにちは。今はすこぶる精神が荒んでいるので、荒んでいるなりに先週実施した旅行の旅行記を記そうと思います。まともなときにまともな旅行記を記す可能性もありますが、きっとこの場でアウトプットしてしまったらもう書かなくなる気もする。しかし良くなる頃にはもう旅行のことを忘れてしまっていそうなので、書きましょうね。基本的に読み手のことを考えず、かつ暗い文章になります。お楽しみに。

 

貧乏性かつ本当に貧乏なので未だに旅行のメインの交通手段は夜行バスなのだが、今回は新幹線で行くことにした。

元々の予定では今日、敬老の日を含むこの三連休、プラス1日有給を取って四連休のしっかりした旅行をする予定だったが、三連休に予定ができたので旅行を一週間prepone(postponeの逆)することにした。そんな単語は(聞いたことが)ない。調べたらインド限定で使われているらしい。金曜日に有給を取って、新たな三連休を捻出。なお、当の暦通りの三連休の予定は無気力により参加しないまま終わってしまいました。ありがとうございました。

 

一周切符で行きます。一周切符が何かはググってください。前日は22時くらいに仕事が終わり、荷造りをし、全く寝れず、3時くらいに寝付く。

 

無理やり起きて始発で向かいましょう。夜行バスのほうが眠れたんじゃないかな。

 

JR東日本の新幹線に乗るのは人生で二回目です。北陸新幹線は初。東京は雨、というか台風が近づいているらしい。

 

車窓を眺めていたら「能生」の文字が現れた。あの、能生騒動で有名な能生ですね。能生騒動が何かはググってください。

 

ところでこれは知らなかったのだけど、能生駅ができたときのエピソードが実質イワシがつちからはえてくるんだだった。(駅のホームで)イワシ(の中に入っていたウジが)はえてくるんだ。そのせいでこの旅行のテーマソングはイワシがつちからはえてくるんだになった。界隈曲と言われていますが、もてはやされる前から聞いていた、ように記憶しており、その点は優越感を覚えています。Twitterで「能生 イワシがつちからはえてくるんだ」と調べてもヒットしなかったことについても、優越感を覚えています。みんなも流しながら読んでね。

 

youtu.be

無駄話が長すぎる。9時前に金沢到着。

スマホで適当に撮った写真とカメラで適当に撮った写真が入り交じるのでアスペクト比が混ざることが嫌いな方は鼻をつまむなど各自用意して読んでください。明るさも揃えておりません。

鼓門、でしたっけ。始発の新幹線で来る人もそれなりにいるようで、飛び跳ねている大学生の集団や大人の休日倶楽部のような方々などがいました。東京は大雨とのことですが、こちらは青空。

 

駅前の感想は、よく整備されているなという感覚。ホテルが多い。駅前の安旅館に荷物を預け、まずは武蔵まで歩いていきましょう。適度にホテルやマンションなどはあるものの、"地方都市の中心駅から中心市街地までの太い通りあるある"とは異なり、オフィスや公的機関なんかはあんまりありませんでした。

 

武蔵です。近江町市場があることで有名ですね。武蔵だの近江だの、加賀百万石で日本中から人が集まっていたころを感じられて良いですね。

 

市場というものの雰囲気はあまり好きではないです。旅行する気あるの?市場の中で百万石うどんを頂きました。うまい。やはり関西風の出汁は本当にうまい。海老天がかなり太く、市場のぽてんしゃるを感じる。

 

武蔵から南に歩いていきます。金沢は空襲を受けなかったがゆえに昔の建物がたくさん残っているんですってね。俺は平和のために何かをなしているか?平和とは何か?

 

尾山神社。ステンドグラスのあるおしゃれな神社です。

 

今回実は兼六園には入りませんでした。これは金沢城の外側のどこか。

 

平日なので観光地の割には人が少なく、テレビの取材がありました。木村多江さんを間近で見ました(つつじのような明るいピンクの服を着ているのが木村さん)。平日の旅行は良いですね。

 

国立工芸館に来ました。

 

「水のいろ、水のかたち」と題された展覧会が催されており、私は水を好んでいるので、非常に好みました。この旅行で行った文化施設の中で一番良かったかも。建物も素敵でした。

 

石川県立歴史博物館。すぐ隣にあります。

 

まあせっかく来たし…という気持ちで入りましたが、思ったよりボリュームがあり、またRFIDを活用したギミックなどもありがんばっているなと思いました。私は何もがんばっていません。

興味深かったのは祭で捧げる神饌の展示。石川県では「あえのこと」など、能登を中心にこういった民俗文化が豊かなようです。通説的な展示を見せられると、自分が今どういったトピックに興味があるのかということがわかり、私は神饌というトピックに興味があるということがわかります。そのほか、渤海使などにも興味があります。

 

石川県立美術館。すぐ隣にあります。こちらはこう、古九谷とかはなんとなくよかったのですが、全体的に古臭く、ちょっと僭越ながら、やべーと思った美術館でした。「古九谷と隠れキリシタンの関係」についての展示もあり、内容自体は興味深いのですが、Wikipediaにあったら「要出典」「独自研究?」と書かれそうな内容に思えました、いや、もちろんちゃんとした学芸員さんがやっていることはわかっているのですが、うーん。石川県は、工芸、生活美術は強いが、純粋美術は弱い気がする。私は大正〜昭和の洋画家がそれなりに好きなのだが、石川県出身の画家は思いつかないし、展示もされていなかった。それがゆえの金沢21世紀美術館なのかもしれないけど。

 

石川県立美術館広坂別館、石川県文化財保存修復工房。すぐ隣にあります。これはよかったな。漆とか、日本画とか、美術品を修復する場が一般見学できます。ただこういう工場見学系の施設、ガラス越しに労働を眺めるのが窃視症的でグロテスクで、ここでは働きたくない。そう思うとよくないです。前言を撤回します。

 

山を降り、公共施設の多いエリアに来た。このあたりで仕事のきつい連絡が来て、まじできつくなったよ。

 

みんな大好き、鈴木大拙館。谷口吉生設計。ものすごく良いのですが、金沢市マーケティングがうまいですね。内容はとても薄い。来る価値はものすごくある。そういうことなのです。仕事とかどうでもよくなった! 柳が青々としていてよかった。

 

香港人の青年に写真撮ってくれるかい?と話しかけられました。お返しに撮ってくれました。本当に英語が話せなくなっていることがわかる。このまま日本語も話せなくなるのかな。言語から逃れられたらそれはとても楽しそうですね。

 

新竪町というエリアに来ました。金沢随一のおしゃれエリアのようで、昔ながらの町並みの間におしゃれなカフェがいくつか並んでいますが、観光客はいませんでした。竪穴式住居以外でこの竪の字使うことあるんだね。

 

かわい〜パン屋。クロワッサンと、あともうひとつプルーンが中に入っているカヌレみたいなのを買いました。美味しかった。

 

おしゃれな街なので、特に解説がなく三宅雪嶺の生家跡が案内されます。三宅雪嶺ってだれだっけな… 北越雪譜?(を書いたのは鈴木牧之であり、時代すら違いました 三宅雪嶺志賀重昂杉浦重剛とともに政教社を設立し『日本人』を発行した明治時代の国粋主義者

 

更に進むと今度は竪町。この街が不思議で、一見普通の地方都市の商店街なのに、古着屋が6割、美容院、オタク向けショップ、コンカフェ、ジュエリー店が残り1割ずつという店構え。飲食店やチェーン店はあまりありません。どうなってんだ? しかも古着屋も私が入れない感じの、下北沢ではなくて裏原宿とかにありそうな古着屋です。とんでもなくイケています。会社にいる金沢美術工芸大学出身のオシャレな人達はこういうところにいたんだろうなと思いました。

 

竪町を抜けると、一番の繁華街、香林坊・片町に着きます。同じ街かどうかというとわかりません。隣接しています。香林坊は銀座、片町は有楽町、みたいな感じでしょうか。間違っていると思いますので、各自憤慨しておいてください。人がとんでもなく多い。超大都会だが? 

こういうことをすぐ言うので人から嫌われるのですが、新潟より都会。岡山広島より集積度は高いのでは…と思ってしまった。質が違うので比較はできませんが、町田や八王子より立川に近い感じがした。ただなんというか、人がここまで多いと旅行感があんまりないなという気もしてしまった。

 

東急スクエアがあるのは知っていましたが、東急スクエア、本当にあるんだな。驚きを隠せない、東急沿線民。東急スクエアといえば、青葉台が一番身近で、あとは武蔵小杉、みなとみらい…そして香林坊か。感動的です。日本語が覚束なくなっていますね。すてきですね。

 

 

百貨店、大和も大盛況。バスを待つ人で溢れています。数年前に高岡に行ったとき、大和、潰れてたな。ここらへんで逃れられなかったミーティングを1時間受けるために、コワーキングに入る。仕事って、すごく仕事だな。

 

さて、金沢21世紀美術館です。本当は朝一番に来ようと思っていたのですが、夜間開館をしていることを知ったので先に県立美術館などに足を運んでいたのでした。スイミング・プールの整理券は終わっていました。

 

ちゃんと喋りだすと長いですが…常設の方は、まあ、十和田市現代美術館とかと近いかな…。アニッシュ・カプーア「世界の起源」だけ写真撮れないのは笑いました。美術かどうかは判断を保留したとしても、猥褻物になりかねないからね…

 

企画展はアレックス・ダ・コルテ「新鮮な地獄」。一応これを見にこのタイミングで金沢に来たわけですが、まあなんというか、2023年の金沢で見れてよかったかなと、そういう気にはなりました。これが現代のリアルなのかな、とは。

 

個人的に金沢21世紀美術館で一番気になったのは、こんなことを言っては良くないけれど、スタッフの質が良くない。美術館の展示スタッフ、アルバイトやボランティアなのだろうけど、基本的には毒にも薬にもならない存在で、どちらかというとホワイトキューブよりの存在であると思っている。ただここのスタッフは、明らかに仕事をダルそうに頭をポリポリ掻いていたり、求めてもないのに「これは◯◯という作品です」と解説している人がいたり、もちろんなにもせずふつうにスタッフをしている人がほとんどなのだが、そのまばらな対応が目立った。というか、不気味だった。翻ると、ホワイトキューブを前提としていない美術館だからこそ、こういう対応ができるのだろうか、いや、それだとしても。

 

あとは、英称が「21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa」なのだけど、21世紀がコンテンポラリーでなくなった、次の世紀にはどういう存在になるのだろうか。あとは愛称は「まるびぃ」らしい。建物の形状が丸い美術館だかららしいが、ゆるキャラの名前にするとかならまだしも、愛称としては厳しいものがあるような。そして、たぶん金沢市が運営しているのだと思うのだけど、「金沢市立」とか「石川県立」とか、運営主体が見えづらいのがまた怖く、不気味。広大な土地で、元々ここに何があったのか、とかも気になる(金沢大学付属小中高があったらしい、調べて知った)。全体的に、不安な美術館だと思う。こんなこと全然気にしなくていいんだと思うんだけどね。展示が20時で終わること、建物は22時まで開放されていることはすごく良かった。そのコモンズ性、主体が見えないデラシネ性と、美術が消費されているという鑑賞スタイルが、22世紀に、コンテンポラリーで、いられるのカナ? 俺は早く死ぬか、それか早送りして100歳くらいになりたい。

 

マーク・ロスコ。ずるいとはおもうけど、好き。

このあとは香林坊の裏側で見つけたジョージア料理店!に入ろうとしたらスカスカなのに予約で埋まっていると言われて恥ずかしい思いをしたり、中華料理屋に入ったら美味しいは美味しいけど周りは楽しそうな集団しかいなくて寂しい思いをしたり。金沢の夜は個人的にはけっこうだめかもしれません。まあそもそもだめなだけだけど。

 

夜までずっと歩き通しだったわけですが、ようやくバスに乗って駅の近くの旅館に投宿。

寝不足、始発で一日中歩いていたことがかなり疲れを催し、そのあとの旅程にも大きく影響したわけですが、流石に書くのも疲れてきたしイワシがつちからはえてくるんだも2週目に入ってしまったので、2日目以降はまた今度。

今度書けるかはわかりません。それでは。

 

追伸 編集画面では画像が映っているのに投稿すると画像が反映されないという現象が起き、はてなブログへの信頼がなくなりました。